集団塾や予備校より個別のほうが自分には合っていると思う人にとっては個別指導は、分かりやすく丁寧に教えてくれるところが魅力ですよね。
しかし、高校生のみなさんにとって個別指導の選び方はとても重要。
その授業、もしかしたら偏差値が伸びないかも…!
◆週1回の授業でどんなことができる?
例えば4月から大学受験に向けての学習を開始し、授業で青チャート数ⅠAを1冊するとどのぐらいの期間と費用がかかるのでしょう。
青チャート数ⅠAには例題が144題あります。
解き方を教えてもらい、自分で解いて、分からなければ質問・解説・そのあとやってみる・・・という流れなら90分の授業で「3題」は扱えるでしょう。
もし、解説が長引いたり自分の理解がしにくかったりで質問・応答が続けば2題になるかもしれません。
授業で習うことが目的なら、授業でしていない次の範囲を宿題に出すと不適切です。
仮に宿題でどんどん進められるのなら、あなたは最初から授業は不要で本当は自分でやっていける人ということになります。
よって、宿題で問題数を稼ぐことは難しくなります。出せるとすれば授業で扱った同じ例題を復習しなさい、またはページ下の同じパターンのエクササイズをしてきなさい、でしょう。
多くの授業型個別指導の場合、1科目につき週1回でしょうから、1ヶ月(4週)で
3題×4週=12題
チャートの例題144題を習い終えるだけで1年かかる計算になります。
コマ数にして144題÷3題で44コマもかかります。
個別指導での高校生1コマあたりの値段の平均は約3,800円なので、
3,800円×44コマ=167,200円です。
なら夏期講習などで詰めてやれば?と考えても、結局はそのコマの分だけ追加で授業料を払うことになります。
数IAだけにそんなに時間も費用もかけられる人は少ないでしょう。
高3の4月から開始だと受験まで10ヶ月しかないのに、そんなペースではそもそも1周もできない中途半端で終わります。週1回習うと言っても、学習単元で見ればそれだけのことしか扱えないのです。
加えて、英語も他の科目もアレも・・とするなら・・・全部通えるでしょうか?
受験は総合勝負なのに、時間と費用の都合で、あの科目とこの科目だけ習うのが精一杯、という人がとても多いのが実情です。
夏期講習などで無理やり詰めても、あくまでも1周目が「完了」したという段階です。
ここから自分の力にすべく演習を繰り返してようやく学力は上がります。
週○日、月謝はいくらという点にどうしても焦点が当たってしまう個別指導ですが、週に1回1科目は、1年かけて1周完了するだけで終わるペースでしかないのです。
だから間に合わない・復習の機会が取れないので夏期講習や冬期講習はたくさんやりましょうと提案されるのです。しかし授業をたくさん受けても学力は上がりません。
◆大切なのは自分で解く時間と「反復」
多くの場合1科目につき週1回の接点ですが、大切なのは自分でどう行動したかです。
「いつまでに」「何を」「どのような状態にするのか」を考えて自分の学力を目標レベルに完成させていくことです。
1回勉強するだけで解法を忠実に再現できるほど完成させることはまず難しいですから、宿題だけでもまだまだ練習は足りません。
しかし、授業型の個別指導塾は授業がメインですから、通塾日はまた授業があります。
その間の宿題以外の行動は自分次第となり、その中でいかに自分で考えたり反復できるかで学力が上がりますので、通塾日に授業を受けて課題をしているだけで伸びるとは限りません。
2周も3周も繰り返して授業を受けられる時間はありませんし、それを詰めて入れてもものすごい費用がかかってしまいます。
◆最初に戦略・計画は具体化されていますか?
いかがでしたか?
ここで言いたいのは、授業をしていてもダメだという極論ではなく、無計画に
週に○回、何科目で〜
という選択をしては危ないということです。
目標まであとわずかなところまで伸びていて、時間もまだ余裕があり、その部分だけじっくりと鍛えたいというのであれば授業型個別指導の選択はもちろんアリです。
最初に戦略・計画が具体化されないまま、時間と費用だけを見て週に2回、英数で・・・といったような選び方をしている人が多く、残り半年になってこのままでは危ない・・と焦る人が本当に多いということです。
アールディムではそういった理由から「授業」はしません。
志望校という目標達成のためには、「全科目トータル」を鍛えることが重要となります。
筋トレで言えば、腕の筋肉だけジムでトレーナーに指導してもらってあとは自分流筋トレになっていてはダメと考えるからです。
週に○回、何曜日の何時からという考えではなく、毎日何をすべきかに集中することが伸びをつくります。
そのためにも、全科目の戦略や計画は具体的に、視える化されていないといけません。
①目標達成に向けていつまでに・どうやって・どうなるのか
②目的に沿った教材で正しい勉強方法でトレーニングすること
③自分の課題点や改善点などを振り返る習慣をつけ、毎日アップデートする
ことに集中します。
青チャートに1年かかる…なんてことは高1や高2の初期なら良いですが、高3になってからではもうアウトです。
残り時間から考えて達成までの必要プロセスを最初に具体化させないまま、
「とりあえず英数で週1回ずつ塾に通っている」
という人から、5月の模試(全統河合マーク)のあとに本当に多くご相談を受けます。
・何から初めてよいか分からない!
・自分なりにやっているけど伸びない…
・ずっと塾に通っているけどこの記事にあてはまっている